『彩雲国物語』

彩雲国物語』 が好きです。

 

カテゴリはおそらく少女向けラノベもしくは少女小説なのですが、NHKでアニメ化もされているし、コミカライズもされていたので、どこかで見たことある人も多そう。

 

舞台は中華圏ファンタジーで、主人公は名家の血を引き継ぎながらも凋落したため、貧乏生活をしつつ快活に働く女の子。賢い父の指導を受けて役人になりたいと願いながらも、女性はそもそも役人になるための資格受験の権利すらない。

そんな中、駄目な王様をしっかりさせるため期間限定で妻になったり、男装して役所で働いたりと、どんどん前を向いて進んでいく元気がでるお話です。主人公、けっこうずけずけ言うし、でも賢いからまわりを危険に巻き込むような無駄な足掻きとか精神論かざさなくて、読んでいても気分いいです。

 

少女向けというだけあって、逆ハーレムかってくらい周囲の人間に好意を寄せられますが、どうしてそういう好意を向けられるかの過程があるので納得できるし、基本軸が恋愛ではなく政治なのでずっと読んでいて面白いんです。

初期は凄い血筋や立場の人間のおかげでひとまず戦う場までいけるし、かといって一時が万事周りのおかげではなく主人公も頭をフル稼働して事態を収めていくところは普通にプロジェクトXじゃないけど仕事成功話を読んでいるようで気分がいいし(だから男性にもオススメできる)、

途中で一度そういう凄い人たちから離れて、優秀だけど親切でもない先輩と上司とで戦うところは応援してしまうしってところがとても魅力的。。

シリーズ後半はファンタジーと恋愛と権力争いが強くて、主人公の働きっぷりが好きな身としてはちょっと口惜しい展開なのですが、シリーズが終わる方向としてはわかります。

 

カッコよくて思わず憧れてしまうような殿方や女性がたくさん出てくるので、読んだ人同士では「誰推し!?」というトークも盛り上がること請け合い。

私個人は中盤で出てくる賢いけど親切ではない先輩が大変好きです。この先輩は仕事あり気で主人公のことを評価するタイプだから、彼の側であればずっとめためたに働く主人公が見られるんですよね…働くっていいよね…。

 

彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く (角川文庫)

彩雲国物語 一、はじまりの風は紅く (角川文庫)