コロナで家にいる時間が増えた人が多いと思うのですが、本やゲームで心穏やかに過ごせたらいいですね。テレビのニュースは胡散臭いのが多いし、twitterでも情報が飛び交っていて疲れやすいですからね、攻撃的になっても後からしょんぼりしますからね。
本日紹介するのは『独ソ戦』です。2020年新書大賞第一位だそうで、ミリ系だけどご存じの方は多いかもしれません。
私はミリについては「太平洋戦争にて特攻隊っていう自殺前提の突撃部隊があった」ところから興味を持ち始め、地元が空襲を受けていたので父方祖母が寄稿してた戦時中の女学生本を読んだり、母方祖母の満州引き上げのエピソードを聞いたり、『火垂るの墓』の場所に住んでいたので日々が半ば聖地巡りだったり……と着々と知識を身につけていきました。大学時代にヘタリアという国擬人化漫画にハマって第二次世界大戦のエグさを知り、独ソ戦にもたどり着いたのですが、戦車戦やホロコースト、局地的なエピソードばかりを調べていて全体像が見えてなかったところ、34歳にして手に取ったのが本書。
面白かったです。戦争が起こる前の各国の情勢から始まり、知っていたエピソードが脳内でつながることももちろんですが、「戦後長らくはこういう説が主流だったけど、ソ連崩壊や当事者の遺品などから今はこういう考え方が定説!」という説明があってなるほどね~!と膝を叩くこと請け合い。
ほら、日本でもいまだに戦国武将の評価が変わるじゃないですか。あんな感じです。
地図もちょいちょい入っているので、「えっこんな距離にわたって軍展開してたの?」なんて驚きもしばしば。周辺国が戦地になりすぎ。そして対ロシア戦、「線路の幅が違うから物資輸送手こずる問題」「冬将軍が強いのと地質がぬかるみすごくて冬になると半ば強制的に停戦になる問題」他、戦争って一筋縄ではいかないよねってことがいっぱいです。
昔の、遠い国の話ではありますが、人類がしでかした凄惨で多数の死亡事例、かつ近代での出来事なのでかなり資料が残っているので、読み応えあります。ぜひ。