ヤングケアラーに興味がわいたのでタイトル直球そのままな本を2冊読みました。これ両方一度に読んでよかったなと感じました。
ヤングケアラー(新書)は国内でのヤングケアラーの存在や対応や取り扱いを社会学・比較文化研究の専門家の方がまとめた一冊。
先行して取り組んでいたイギリスのデータや対応内容をたたき台に、国内でのヤングケアラー定義を決めたり(年齢でいうと18歳未満までで、18歳以上24歳くらいまではヤングアダルトケアラー)、どうやってその数や存在を把握するため奮闘したかなどが書かれていました。
ヤングケアラー(毎日新聞)はちょうどコロナ前から取材が始まり…と体験記っぽさもありつつ、間間に数名の実際にヤングケアラーの方の話が挟まれている形式。
新聞社での取材の仕方や、どうやって正しい数字やデータを出すか(国が集めたデータの分析依頼にオーダーメード集計という手法があること初めて知りました)、コロナ禍での取材の苦労や工夫など。新書のほうの澁谷さんも一部参加し、ここ数年国内のニュースなどで『ヤングケアラー』という言葉がどう周知されていったかなどもわかる一冊でした。
これだけ不況で就職も仕事も大変なご時世で、土台となるティーンの間に
「家事他で部活や遊びどころか勉強する時間もない」
「夜も介護や、起きてしまった認知症家族を見守っていて眠れない」
「病院の付き添いとかで学校にいけない(出席日数が足りなくなる)」
とか聞くだけでも単純に大変だとなるのに、
「学力を上げたりスキルを延ばすべきとされる時期に、どんどんできないことが増えていくけどそれも是としてとらえる介護現場とのギャップで困惑する」
「決定権がないのに重大な責任を持たされ、外部の人間との折衝判断に駆り出される」
「若さゆえネットで検索するにもどういう言葉で何を何のために検索すればいいのか、誰に助けを求めたら改善するのかが全く分からず、ただ目の前のケア作業で心身が疲弊して心が折れる」
なんてのもあり、やってられないな…とおもうなど。
うちは子供を作らないけど、元ヤングケアラーだった人と接触することはあるし、親戚の誰かがそうなる可能性もあるので覚えておきます。