『マレ・サカチのたったひとつの贈物』

『マレ・サカチのたったひとつの贈物』は、活字不足だった私がふと本屋であらすじ読んで買った小説です。おもしろかったです。

 

ストーリーは「量子病という物理的に地球のあちこちに跳躍し続ける病気にかかった主人公・坂知稀の物語」。

大学までは理系の端くれだったので量子力学をほんのり知ってたのですが、全然知らなくても文庫本の中でさくっと量子力学のめちゃくちゃ簡単な説明があるので大丈夫。

その病気設定だけでなく舞台設定も面白くて、ほんのちょっと未来というか、ちょっとした並行世界という感じなのですが、「世界が端末で繋がっていて、そして貧富の差があり、テロが多発している」というもので、へえーっておもいながらずいずい読めます。

そんな病気だから様々な人に会うわけですが、私はニュージーランドの果てであった人が好きでした。いいこと言う。

 

物語が終わるころに、何故病気の名前が「量子病」なのかがすとんとわかる、そういうお話。

 

マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫)

マレ・サカチのたったひとつの贈物 (中公文庫)