『戦国の忍び』

忍者って実在したのか、しないのか。

忍者というと、黒づくめの恰好で…というぼんやりしたものから物語に出てくる『NARUTO』みたいなファンタジーバリバリのものまで思いつくものは幅広いものですが、実際のところはどうなのかを文献を調べてまとめた一冊でした。

 

 

武将や武士と比べて研究がかなり遅れていたそうなのですが、当時は「忍者」という言葉はなく、「忍び」をはじめとして「間諜」「間者」「諜者」「透波」「乱波」「突破」「窃盗」「かまり」「伏」「間見」「見分」「目付」「嗅物聞」「野伏」「草」などと呼ばれていたこと。

武士より軽く見られていたけれど、武士と一緒に自国を守ったり他国を攻めるのに必要不可欠だったこと、取り締まりが難しい戦乱の世に放たれていた悪党を野放しにせずに活用する方法だったなど、「まあ、せやんな」と腑におちながら読みました。

情報収集もままならない時代、そりゃ忍び運用して周辺の情報集めてからでないと城攻めも合戦もただの命の無駄遣いであるわけで…。

 

忍者が使った武器とか忍術とかは記載がほぼないですが、実際の任務内容やら忍び関係の本やら、あと当時の夜に対する認識やらを知れて面白かったのでおすすめです。

特に文献については戦国時代レベルになると残ってる書が多すぎて、全部片っ端から読んで忍びに該当する部分だけを集めるのは至難の業というか恐らく無理なので…国というか武将ごとに別の名前がついてたりするので…。