『図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ』

どの歴史的出来事を調べるにもそうですが、著者によって記述が偏っていたり、掘り下げがすごかったりと差が出るもの。まあそういうものなので、いろんな本を読むことで総合的に学んでいくべきなわけですが。

そんな中、『図表と地図で知る ヒトラー政権下のドイツ』はかなり幅広く事象やきっかけやらを網羅していました。

 

 

ヒトラーを語るならまずは第一次世界大戦の敗北から…それならその前の欧州の植民地取り合いストーリーから…となりますが、こちらはスパッと1933年ヒトラーが首相になったところからスタート。聞いたことあるワードが図表地図と共にたくさん出てきました。

焚書」「長いナイフの夜(戦前ヒトラー政権に反逆するかもな突撃隊粛清した事件)」「ベルリンオリンピック」「水晶の夜」「ポーランド侵攻」「スペイン内戦」「ソ連vsフィンランドの冬戦争」「ダンケルクからの英兵撤退」「バトル・オブ・ブリテン」「バルバロッサ作戦」「冬将軍」「青作戦」「アフリカ戦線」「スターリングラード」「白いバラ運動」「ツィタデレ作戦」「レニングラード」「ノルマンディ上陸作戦」「7月20日事件(ヒトラー暗殺狙い)」「ヴァルキューレ作戦(ヒトラー暗殺狙い)」「バングラチオン作戦」

聞いたことあるけど個別だった事象が繋がる!!!と、変な独学してた私は大歓喜です。

 

さらに「ヒトラーユーゲント」「生命の泉計画」「歓喜力行団」などの戦線重視の本には書かれていない(少なくとも大してページ割かれない)ことや、

当時のドイツ平均寿命、

町でやっていた映画、

ナチがコントロールを頑張っていたマスメディア(新聞社を武力で取り締まったのはハイハイ軍部軍部とおもってたけど、ラジオは実際に頑張らないと外国放送ばかり国民が聞いてしまうため)、

ナチスが好んだ音楽家(ユダヤ人音楽家はハブると思ってたけどジャズも駄目だったそうで日本かよとなりました)、

そしてなにかとあやかっていた北欧神話の神様やルーン文字の紹介まで!

かなり充実した一冊でした。

 

あと個人的に第三帝国って織田信長さんが言う第六天魔王みたいなノリかなとぼんやり考えていたところ、「神聖ローマ帝国(800-1806)」「プロイセン王国による統一(1870-1919)」に続いての3つ目の帝国のつもりだったことが判明して「意味があったのか」と驚きました。

ヨーロッパって国名が変わったり国境が変わったり、島国日本からするとめちゃくちゃで「どこからどこまでを自分の国で自分の歴史と認識しているんだろ…」と不思議でしたが、なにかしらのルールなりはあるのかもしれませんね。ドイツ語圏かどうかってのもありそう。