『最新世界の葬祭事典』

みなさん、世界では遺体をどう処理しているか知りたくないですか。私は知りたかった。ので読みました。

 

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すごいサクサク説明されていくので、読みやすかったです。

地球をエリアごとに区分し、国名・地図・簡単な国の概要(葬送に関係する宗教とか気候とか昔の宗主国とか)、そして死体に関する法やら地域差があればマイナーな葬送方法の記述。

 

キリスト教が強い欧米は土葬でしょとおもったら、イギリスあたりは「貴重な国土が墓で埋められていくのはもったいない」と気が付いて1980年には64.4%が火葬になってるし(カトリックプロテスタントかでも意見違いそう)、

 

ユダヤ教イスラム教も火葬をかなり忌避していて逆にこのコロナ禍でどう処理したのかが気になるし、

 

サウジアラビアは神以外に祈るのNGだから墓参りほぼしないそうだし、

 

熱帯地方は遺体が腐りやすいから24時間以内に埋葬がルールづけられていたり、「火葬はお金がかかるから低所得者は土葬」「土葬でも金持ちは埋めた時に単葬、骨になったころに洗骨して再度埋葬する複葬をする」なんて世知辛い国もあったり、

 

台湾では「80歳越えたら天寿全うの大往生」という慶事扱いになったり(他国では慶事扱いはさすがに記述なかった)、

 

アメリカだけエンバーミング技術が進んだ理由が「南北戦争で広い国土中に散らばった兵士の遺体をなんとかして故郷に送るため」とあってまあ確かにそんな理由でもなければ遺体を長距離移動させることないもんな…と納得したり、

 

ロシアはWW2で人が死にすぎたからか各墓地に無名兵士の墓があって、無宗教ゆえに役所で結婚式を挙げた新婚さんが詣でることが慣例だったり(これは予想外すぎて真偽を別途確かめたいエピ)、

 

アイスランドは協会税があるから(国教が指定されてる国ならでは)結婚と葬儀の費用が無料だし(別の宗教を信じている人の宗教税は教会でなく国の大学運用資金に回るらしい)、

 

ノルウェーは冬場、地面が凍結しているので電気掘削機をっかって墓穴を掘ったり(冬の間は遺体を別途保管する国や地域もある)、

 

アフリカは泣き女があちこちの国にいるかと思いきや、火葬設備も骨壺もないので例えば日本人が死んだ場合はどうなるか説明があったり(グローバルな時代ならではの問題)、

 

ばばーっと書きましたが、もちろんこれはほんの一部の情報なので、気になった人は是非読んでください。お墓をつくらない国もあって、死についての認識も同じ人類でこれだけ違うんだって目からウロコです。

 

コロナ禍で大量に人が死んで各国どう処理したかもどこかで知りたいものです。土葬推奨エリアでも元々「感染症で亡くなった人は火葬」とかルールが決まっていた場所もありますが、火葬があまり利用されていない地域ではそもそも施設が足りない・もしくは存在しないので…。

NHKでナチのホロコースト特番見ましたが人体を焼くには火力がいるし、宗教的に火を直接遺体に触れさせないとか、におい問題とか、よっしゃ焼くか!で焼けるものではないですからね。