『図説・戦う城の科学』

昨年落乱にハマってから、ちまちまと室町・戦国時代関連本を読んでいるのですが、おもしろかったのでご紹介します。

 

 

城については浅学で「あの穴(※狭間)は鉄砲で使うやつ!」ぐらいしかわかってなかったのですが、専門用語も多いけどそれでもオールカラー新書でまとめられるだけまとめたというか、情報豊富な本です。

 

「城って昔はいっぱいあったんだよ、3~4万くらい!」という導入に始まり、

・弥生/飛鳥/南北朝時代などの軍事施設の紹介

・いまみんながイメージしてる日本の城の土台は織田信長が建てた安土城

(日本初の天守!)(日本初の総石垣!)(日本初の城専用瓦!)

(石垣も瓦も寺院の専売特許みたいなものだったのでマジで日本初)

(逆にそれまで建ててた板葺きの城ってどんなビジュアルなんだ…)

・派手でおもしろい織豊系と違い家康が建てた城は規格統一されてる

・信長の破城、江戸時代の一国一城令、明治の廃城令、太平洋戦争を乗り越えた城は12城しかない

(姫路城はそのうちの一つだけど、名古屋城は残された資料から忠実に再現された城だし、大阪城は情報足りなくて場所しか合ってないかもしれない城)

(日本100名城とかあるけど大半は城跡ってことだよな…名前ずるくない…?)

・沖縄やアイヌにも城がある

・豊臣の韓国侵略で建てた倭城という存在

・城の役割

(全部が本拠地でなく通信経路確保や監視のための城などもある)

(軍事施設としてあちこちに城がある時代の日本、一度歩いて回ってみたい)

・地形のみならず地質などによる瓦や石の違い

(雪国と火山灰が積もっている地域ではそりゃ作りが違うわけです)

・籠城戦や城攻めなど城が関わる合戦あれこれ、他!

 

この本を片手に戦国時代の本を読むのがおもしろそうだし、多分これ一冊あれば自由研究に困ることはなさそうな、好奇心を広げてくれる本です。

この本を軸に別の城の本とか読んで、「ああこの専門用語はこういうことか」って確認していくのもよさそう。私はこの本片手にネットで情報集めたりしました(現存12天守以外に城の形を保っている建築物がどこにあるか知りたくて)。

現代では凝った日本の城を作ったところで軍事施設としては使えないですが、ゲームとかで自分だけの城作れたらすっっっごく楽しそうですね。熊本城に並ぶガッチガチの強い城作りたいです。