『ペーパーマリオ オリガミキング』

『ペーパーマリオ』シリーズは家族がプレイしているのを見ていた記憶しかないのですが、今回CM見て「マリオRPGのときみたいにクッパと一緒に冒険できるかも~!」と感じたので購入しました。

凄くおもしろかったです!

 

ビジュアルが紙、段ボール、折り紙、画用紙で大体構成されているので絵本を見ているようなかわいさがあり(デフォルメデザイン、水表現、ライティングが素晴らしく、端から端まで丁寧なつくりはさすがの任天堂さま)、

今作のお供キャラであるオリビアの「無邪気」「善性」「ちょっと斜め上な意見もありつつ」「マリオの足手まといにはならないようにできる配慮」「勝手に動いてトラブルを引き起こすこともない」という理想のヒロインで、

昔のゲームに出てきた敵キャラがちょいちょい端役として出演し、

ゲーム内でヒントを出して攻略サイトなしでもクリアできる設計、

楽しかった…クーラーが効いた部屋で黙々とマリオプレイするのはまさしく小学生の夏休み…。最高。

 

シナリオは、「ペーパーマリオというかわいいビジュアルでだまされているけど、よくよく考えるとめっちゃくちゃグロで残酷」という感じですが、スーパーマリオは絶対ハッピーエンドなので大丈夫です。任天堂を信じて。

 

www.nintendo.co.jp

 

 

 

 

ここからネタバレ含んだおすすめになります。

 

 

 

 

 

ストーリーがすごくよかったんですよ…!

 

まず「ペラペラの紙vs折り紙」って「2次元vs3次元」という戦いで次元が違う敵と戦う構成、そこに「折り紙になったらもう元に戻らない」という公式でのセリフと、「序盤からすでに敵によって折られたヒロイン(ピーチ姫)」という絶望スタートなところに、「目の前で部下がどんどん敵側に作り替えられていくクッパ」という原作虚淵さんって言われても信じちゃう。「ペラペラのクリボーvs折り紙のクリボー」みたいなポケモン映画のごとく「オリジナルvs改造型」の戦いがフロアいっぱいに繰り広げた時はその画の完成度と展開と残酷性に歓喜しました。最高。

 

ボスはビジュアルそのままの文具なのですが、パンチとハサミがすごかった。

パンチはそのパンチで顔面をくりぬき、声でのやり取りができないまま閉じ込めるし、クモの巣に貼り付けにしたりして、そのビジュアルがすごい。ただの見せしめなのか?奇妙な果実か?キノピオ死なないけどその扱いやばくないか?

ハサミはガチで紙の天敵なので相性最悪で初見で切り刻まれたキャラもいるし(背景赤で黒シルエットが切り裂かれる表現をマリオで出すセンス凄くないです?)、マリオ作品でそんなことしていいのか即死攻撃を繰り出してくるし(タイミングよくボタン押さないと本気で即死)、味方を切り刻んで集めた顔面部分だけで敵を作り出しマリオと戦わせるしで(意識があるのでマリオに話しかけてくる)、純粋に文具軍団と戦うシナリオでラスボス枠なのでは…という疑い。

 

そしてマリオシリーズに対する愛も深く、スーパーマリオワールドのライタなどレアもレアなキャラがお茶飲んでたり、過去作の舞台が表現された絵があったり、最近かわいいポジを構築しつつあるワンワンの恐ろしさをこれ以上ないほど表現していたり、と過去のマリオシリーズで遊んだことがある人は確実に楽しいです。

特に終盤でクッパが空飛ぶ船で出撃するところは素晴らしく…。爆弾に今作それまで出てこなかったキラーとか出てきて胸熱。そう、クッパ城もいいんだけど、クッパ軍団は空飛ぶ船で戦うんだよ…!!!!

 

グラフィックも本当にすごかったです。本当に丁寧に作られてて、よく動いて、特別な画もあり、そしてこのボリューム…本当に任天堂さん凄い…。

折り紙キャラ、さすがに1枚の紙では折れないよね?という造形のキャラもいるのですが(意外と折れるのかな…だったらオリガミキングの折り紙本出たらいいな…)、折れるところをロボットの変形シーンさながら動画にしてあるところもすごいし、

背景を画用紙でどう表現するのがいいかを練られているし(博物館で設定画がいっぱい見られるのですが、これ紙媒体でもぜひ出版してほしい)、

ねぷたまつりのようなハリボテも中からの光の透過が美しいく、

水が流れる映像は素晴らしいし(3DCGにやける流体表現は難度高いです)、

デフォルメされているからVFX系より軽く見られがちだけど、そうじゃないんですよ…!!!!

 

ぜひ万人にプレイしてほしい良作でした。おすすめ。

難易度については「勇気の試練」と「ハサミ」以外は何とかなりました。