『1917』

 今年はコロナで見に行きたかった映画館に足を運べていません。これは年始からで、コロナの情報が乏しかったこともあり、念には念を入れた結果、楽しみだった2月公開だった『1917』を今今、自宅で見ることになりました。

よくできていて、凄くおもしろかったです。画作りも素晴らしかった。

 

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舞台は第一次世界大戦の英仏連合軍側。1600人の同胞の命を救うため、伝令係が危険地帯を駆け抜けるというストーリー。

 

ストーリーのネタバレを避けて讃えるとなるとやはり美術。塹壕が素晴らしかったんです。

第一次世界大戦は戦車は発明されたばかり(映画にも登場してました、そう主人公は英国軍!)、戦闘機も複葉機がまだ華麗に飛んでいるような、割と地味めな戦争です。敵味方両方、地面に穴を掘って迷路のような長い塹壕を張り、そこから突撃したり防衛したりしていました。場所によって、国によって、塹壕の作りが違うという作り。すごい。そして泥沼のひどい戦いが続いていた前線で、回収できない死体がこれでもか、というほどあるのも素晴らしかったです。そういう場所なんだという説得感が増しましたね。照明も計算され尽くしているのがわかる部分があり、見ていてぞくぞくしました。

 

また話題となったワンカットムービーで、一台のカメラが主人公の背中を、主人公の行く手を、主人公の顔を、ずっとずーっと映し出しているので、それはもう主人公と気持ちが一緒になるというもの。実際はいくつかの長回しを編集したそうですが、それにしたって十分凄い。

 

webでレビューを見ていると、これは史実ではないし、当時の軍事や倫理から照らし合わせると突っ込みポイントもあるそうですが、それでも映画の中に出てきた人たちの人間味もよかったし、これは史実を基にしたフィクション映画として本当に…本当によく作られていておすすめです。