『独学大全』

『独学大全』という本屋さんでも自己啓発エリアあたりでも浮く、驚異の788ページという分厚さの本を読みました。補足すると文庫版の京極夏彦さん著『姑獲鳥の夏』が630ページなので、まあ、そういう分厚さです。

 

 

ビジネス書は大体言うことかぶってるんです。

・ざっくりとした生活指導(朝は早く起きて日光浴びて、夜はスマホ見ずに早く寝ようね!)

スマホやPCツール使っての小技(隙間時間を有効利用!そしてルーティンは機械任せにしよう!)

・科学的に正しいらしい脳習慣(朝の時間を知的活動に使って!25分ごとに休憩を!)

 

本書でもポモドーロとか、目標は小分けにしろとか、「まあ筋は通ってるしビジネス書が揃って言うから正しいこともあるでしょ」というパートはあります。

ありますが、それだけで788ページが埋まるわけがないんです。

・私淑しろ(会えない人物を師と仰いで、「師ならこんなときどうするか?」を考えて独学の指針にすること)(オタクが得意に見せかけて独学に向けて力強いパッション持った人物を推しにできるかという根本が難しいやつ)

・「どうやって」本を読むかの丁寧な説明(音読と黙読以外知らなかった)

・自分の持っている知識を吐き出し、そこをベースとした独学の始め方

・文系大学で卒論書く時のデータ集め手法かと思う文献のたぐり寄せ方(図書館、海外どころか国内でもフル活用したことなかった)

・スタート地点としてのコトバンクの価値

・「脳を思考に使うために土台となる暗記項目は脳使わずに出るほど覚えきれ」というド正論に伴う記憶術一式

・国語と外国語と数学のケーススタディ

本当に他で見ないことでいっぱいでした。よく考えたらビジネスでさっくり使える技術指導書じゃなくて、自分のためだけの独学ハウツー本なんだから全然力強さが違いますね。最高。合う合わないはあるとしても、独学を志す人は一読して判断してほしいところです。

周りに独学してる人がいなくてぼっちしてた人に「同じ本を読む人は遠くにいる」という文言は沁みます。

個人的に数学書の読み方指導ページがあるのは本当にびっくりして、大学で落ちこぼれになる前に知りたかったです…大学数学、マジで戦い方がわかんなくて死んでたので…。

 

『jmooc』という無料で大学講座が聞けるサービスを知れたことも最高です。開講時期が固定なので終わっちゃった講座見て涙することもありますが、再講演ある授業もあるようなので心強くして生きたい…放射能とか防災学とか知りたいこといっぱいある…。

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